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第12回 火傷の英語
医学的には「熱傷(ねっしょう)」と言い、英語ではburnsもしくはburn injuriesと呼ばれる火傷(やけど)。誰でも1度は経験のあるこのやけどですが、「とにかく冷たい水をかければいい」 Run cool tap water over the burn 以外ことは知らない方が多いのではないでしょうか? そこで今月は、この火傷に関する英語を紹介します。
「水ぶくれは痕(あと)が残らない」って本当?
火傷と聞くと多くの方は熱湯scalding hot waterや水蒸気steamなど、とにかく「熱い物に触れること」が原因だと思いつくでしょう。こういった熱による通常の火傷はheat burnsと呼ばれ、scalding burns(熱湯による火傷)が一般的です。このscaldという単語は動詞としても I've scaled my fingers/tongue. のように、「熱による火傷一般」で使われるので、ぜひ覚えておいてください。また火傷は熱い物だけでなく、冷たい物でも起こり、その場合はcold burnsもしくはfrostbites(凍傷)と呼ばれます。これは低温火傷low-temperature burns(40〜50℃くらいの温度に長時間接することで起こるやけど)とは異なりますので、混同しないでくださいね。
また火傷には熱以外にも様々な原因があります。強い酸やアルカリなどに接して起こる化学熱傷 chemical burns、電流に接して起こる電気熱傷 electrical burns、そして日焼け sun burnに代表される放射線熱傷 radiation burnsなどです。また体育館の床で擦った場合などに起こる、「摩擦による火傷」はfriction burnsと呼ばれています。この火傷の重症度は、ダメージの深さによって決まります。従来は3つに分類され、このイメージを持つ方も多いと思います。First-degree burns(第1度熱傷)は表皮epidermisのみダメージを受けるやけどで、赤くなってひりひりします。Second-degree burns(第2度熱傷)では水ぶくれblistersが現れ、Third-degree burns(第3度熱傷)では真皮dermisの神経までやられてしまうため、痛みを感じなくなってしまいます。最近の分類ではSecond-degree burnsは更にsuperficial partial-thickness burnsとdeep partial-thickness burnsに分類され、後者での水ぶくれは色が白っぽく、痕が残ります。「水ぶくれは跡が残らない」というわけではないので、お間違えないように。
火傷には氷を当てる? 覚えておきたい治療のイロハ
火傷をした時には、具体的にどのような処置をしたらよいのでしょう。火傷の原因や重症度に関わらず、まずは「冷たい水をかける」 run cold water over the burnsことが大切です。よく氷を直接患部に当てる put ice on the burned area 方がいますが、これは効果が少ないだけでなく、悪化させることもありますので避けてください。また火傷の部分に衣服などが付着している場合は、それを外さずにその上から水をかけること If clothing is stuck to the burned area, do not remove it and run cold water over the clothes. も大切です。また水ぶくれができている場合は破らないようにしてください。破ってしまうとそこから感染してしまいますから。Try not to break the blisters. If the blisters break, the affected area can become infected. よく火傷の部位にsalve or ointment (軟膏)を塗る人がいますが、熱傷の原因や重症度によっては悪化させることになりますので、医師に診てもらうまでは清潔で乾いた布などで覆う cover the burn with a clean and dry cloth だけにしておいてください。この他superficial partial-thickness burnsまでの火傷であれば、特別な治療を必要としないことが多いのですが、deep partial-thickness burns以上では植皮 grafting skinが必要となる事があります。その場合は身体の他の部位から皮膚を移植する「自家皮膚移植」 autodermic graftが一般的です。
みなさんも「広範囲の火傷は生命に関わる」ということはご存知だと思いますが、その原因を知っていますか? 熱傷では、血管の透過性が亢進 increase blood vessel permeability して血管の中から水分が失われます。そのため血圧が下がり、ショックshockと呼ばれる状態になります。また炎症が広範囲に及ぶと全身性炎症反応症候群 systemic inflammatory response syndrome という状態になり、これが進むと多臓器不全 multiple organ failureとなって死に至るのです。この他、水蒸気などを吸い込んだり、酸やアルカリを飲むなどして気道 tracheaや食道esophagus/gulletが熱傷を起している場合は、 それらが浮腫edemaを起して窒息する可能性が高いので、すぐに医療機関にかかる必要があります。
プロフィール |
―Dr.Taka―
医師
日本英語医療通訳協会理事
日本医学英語教育学会会員
米国 Cross Cultural Health Care Program 公認医療通訳トレーナー
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