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| 専門学校で知り合った日本人と。現在の日本の様子を彼らから吸収することができた |
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| 日本食レストランで働く日本人仲間との飲み会で。日本人といることに何の違和感も覚えなかった |
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| バンクーバーに来てから知り合った日本人の友人たちとの時間は、現在の達也さんの生活に大きな影響を与えた |
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バンクーバーで日本人に会い
だんだん日本人になっていった自分
戦後移住二世
石井 達也さん
メトロタウンにあるシルクウェイトラベルのカウンターで、にこやかに出迎えてくれた 達也さん。同旅行社で日本語のできるスタッフとして働く爽やかな青年だ。テレビは日本のドラマ、愛読書は日本の漫画、ゲームはプレステ、いつも聞いている音楽はJ-POP。 日 本が大好きな青年がバンクーバーで出会ったものとは… 。
文・取材 編集部
写真提供 石井 達也さん
板前の父親について
カナダの東から西へ
達也さんは81年にモントリオールで生まれた。父親が板前だった関係で、 カナダ東部オタワ、トロントなどに移り、93年にバンクーバーへやって来た。 「モントリオールにいた頃は、日本人というか東洋人がほとんどいない学校で珍しがられましたよ」と、穏やかにゆっくりと話す達也さん。「アジア人が珍しいので、いじめられたというよりは大事にされました」。差別を受けずに大きくなったので、かえって日本や日本語に対して何の興味も持たなかったという。家庭内では日本語を話すし、学校では英語という生活にも何の疑問も抱かなかった。
「グレード4の時にバンクーバーに来て、アジア人が多いので少しカルチャーショックを受けましたね。そして、もっと驚いたことは、中国系や韓国系の子供たちは、日本のアニメやゲームを僕よりも知っていたんです」。バンクーバーでは日本のビデオや漫画をたくさん観ることができたので、だんだんと日本に興味を持つようになったという。「それに、皆アニメのことに関してもいろいろと聞いてくるんですよね。自分が日本人であることが嬉しく感じました」。
日本人の知り合いが増えて
楽しいバンクーバー
高校を卒業すると、日本に行くためにお金を貯めようと、父親に紹介された日本食レストランでアルバイトを始めた。 「そこで、日本から来たたくさんのワーホリの人たちと知り合いました。日本の礼儀や敬語などもそこで学びましたね」。
「日本人の友達が増えるに従って、考え方までも日本人っぽくなってきました。日本語が心地いいんです」と、どんどん日本人になっていったと語る達也さん。その後入学した旅行の専門学校でも、多くの日本人留学生と知り合い、また、その後働いたレストランや旅行会社でも日本人と共に働き、達也さんはバンクーバーにいながらにして日本で暮らすのと変わらないくらい、日本の文化を吸収することができた。
実は、日本語を流暢に話す達也さんだが、一度も日本語学校に行ったことがない。「日本語は漫画や雑誌で覚えました。会話は問題ないですが、やっぱり書くのはあまり得意では…。日本語学校に行っていないので、今でもそれだけは苦手です」。 会話は両親と話す日本語よりも、日本のビデオを繰り返し見ることで覚えたような気がすると語る。
「今はバーナビーにある中国系の会社で働いているので、以前よりは日本語環境ではなくなりましたが、カナダ人に戻ったとは思いませんよ。外では英語環境、でも家に帰ってからは、音楽もビデオも日本のものなので…」 。
両親の日本と友人の日本
小さい時にご両親から伝え聞いた日本と、彼が今感じている日本に違いはあるのだろうか? そんな問いに「両親から聞いて感じていた日本は、30年前のものだったというのが最近分かりました。今、バンクーバーにはもっと新しい日本の文化が入ってきているので、現在の日本を知ることができますね」。3年に1度ぐらい日本を訪れるという達也さんのアイデンティティは一体どこにあるのだろうか? 「自分は見かけはどうみても白人ではないので、白人にはなれません。でも、生まれも育ちもカナダなので、日本人とも違いますよね。両方の笑いのツボなどでズレを感じることもありますよ。僕はその点でいうと、どちらでもない。その両方の真ん中の人種。それを感じ始めたのは、高校を卒業して、日本人をたくさん知ってからですけどね」。
今では自身を、日本をルーツに持つ日本人と受け止めている達也さん。そして、そんな自分が心地いいと言う。カナダ人としてカナダで暮らし、日本の心を持てるので2倍得した気分だそうだ。一人暮らしをしている今は、日本食ではなく簡単なカナダの食べ物を食べても別に苦ではなく、たまに母親の作る日本食が食べたくなると実家に帰る。
移住二世の達也さんの好きなドラマは「Good Luck」、「アテンションプリーズ」、愛読書は「はじめの一歩」、「イニシャルD」、好きなアーティストは「倉木麻衣」、好きな食べ物は「ラーメン」と、日本のものは何でも大好き。日本を知れば知るほど、日本人であることが心地いい。そして、そんな時、自分には日本の血が流れていると感じるのだと言う。かといって、カナダで暮らせてよかったとも思い、そんな自分の生活環境を幸せだと思う、と語る。
バンクーバーで育ちながら、現代の日本の文化も楽々と受け入れることができる彼らが作る新しい日系の社会は、いろんな文化を吸収したグローバルなものになるのかもしれない。
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